レーザーの誕生からレーザー脱毛へ
レーザーはトランジスタ、原子力と並び20世紀の三大発明のひとつとされています。
1916年に相対性理論(1921年ノーベル物理学賞受賞)を書き上げたアインシュタインさんが1920年代半ばに行っていた「誘導放出の研究」が 後のレーザー開発のきっかけとなっています。この概念自体は1916年には既に公にしているようです。
1954年になって、コロンビア大学のC.タウンズさんらがレーザーの前身となる「水素メーザー(Maser)」を開発しました。 これは電波の一種である「マイクロ波」を強力にまっすぐ送りだす装置で、1964年にノーベル物理学賞を受賞しています。
これと全く同じ理論を用いて1960年、米国ヒューズ・エアクラフト社のT.H.メイマンさんが「光」を強力にまっすぐ送り出すレーザー発振装置を、 ルビーの結晶を使って開発しました。レーザーの誕生です。
参考資料:日本ルミナスのHPより > レーザーの歴史
この初めてのレーザーから数年のうちに様々なものが開発され、1980年代になって半導体レーザーの誕生を経て飛躍的な進歩を遂げたそうです。
医療分野におけるレーザー治療の発展に大きく貢献したのは、シンシナティ大学のL.ゴールドマンさんらによるQ-switchルビー・レーザーの 開発です。これは、ルビーレーザーの発振パルス幅を極めて小さくする技術で、1983年に米国ハーバード大学のR.アンダーソンさんとJ.A.パリッシュ さんが提唱した「Selective Photothermolysis(選択的光熱融解理論)」で立証されています。
「Selective Photothermolysis(選択的光熱融解理論)」は、生体における特定の色素顆粒のみに光熱融解を起こさせるというもので、 周囲組織には熱変化を与えず特定の色素細胞だけを選択的に破壊するというものです。
参考資料:ロート製薬のHPより > 光熱融解、レーザー生物学の基本
「Selective Photothermolysis(選択的光熱融解理論)」を発表したR.アンダーソンさんらが、目の周りのアザの治療でレーザーを使用して いたところ、眉毛が生えてこなくなったことから「永久脱毛へのレーザーの可能性」を見出したとされています。
そして、R.アンダーソンさんの後輩に当たるM.グロースマンさんらによって、1996年、ルビーレーザーを用いた脱毛機が発表されます。
世界初のレーザー脱毛の誕生となります。この研究においては、ルビーレーザーが使用されていたため白人にはよいのですが、 日本人のような有色人種には皮膚の表面にも含まれるメラニン色素に過剰に反応してしまい、毛根まで届かない、あるいは表皮に火傷を負わせてしまう 結果になってしまいます。
そこで、有色人種でも対応できるレーザー脱毛機の誕生が待たれました。
参考資料:Shore Laser & Esthetics のHP(英文) > More about Lasers(英文)
レーザー脱毛導入期
1996年、有色人種にも対応できる脱毛レーザーとして開発された最初のレーザー脱毛機が、米国フルモルトさんが開発した サイノシュア社のアレキサンドライトレーザーです。
日本にはその翌年1997年にはスピード導入され、当時で言うところの高額にもかかわらず一躍脚光を浴びることとなりました。 日本市場のシェアとしてはこのメーカーのLPIRが一番多いかもしれません。
日本において一番最初に導入したクリニックがどこかについては、われこそが一番乗り!と表明するクリニックがいくつもあるので わかりませんし、利用者にとってはそんなこと意識しないですよね。
レーザー脱毛発展期
その後、キャンデラ社のアレキサンドライトレーザーが日本市場に入ってきました。
サイノシュア社のアレキサンドライトレーザーとの大きな違いは、パルス幅(照射時間)が5ミリ/秒と短いこと。ロングパルスでない分、 火傷の可能性が高くなるところを、ガス冷却装置を取り付けてそのリスクを排除しています。一方、利点としてはパルス幅が短いために、 サイノシュア社の製品よりは細い毛にも対応できるとされています。(その後、サイノシュア社の製品も世代交代が進み、 パルス幅が5〜40ミリ/秒のスーパーLPIRが登場しています。)
レーザー脱毛安定期
そして、半導体を使ったルミナス社(旧・コヒレント社)のダイオードレーザーが登場します。先端のハンドルピースに冷却装置がついているために 火傷を起こしにくく、パルス幅も5〜30ミリ/秒と広くなっています。レーザーには不向きといわれる、産毛の脱毛にも比較的 効果があるとされています。また、男性のヒゲの脱毛にも利用されているようです。現時点においては、新規導入シェアは この製品であろうと思います。
なお、日本市場に入ってきた順番にサイノシュア社、キャンデラ社、コヒレント社の3つの製品を説明しましたが、 基本的にこの3つについてはそれぞれ甲乙つけがたい、よい永久脱毛効果を得られるものと思います。






